夢枕獏『鮎師』

鮎師 (文春文庫)

鮎師 (文春文庫)

 それでも、これを上げてみる。
 読書マラソン3・二十三冊目。
 以下感想。
 普通であれば考えられない巨大鮎に魅せられた、否、憑かれた釣り師達の物語。
 釣りと言う人間と自然の戦いを通じて、
「何かから解放されるには戦い抜かねばならない」もしくは
「そのきっかけを逃してはならない」
 そんなテーマが伝わってきました。
 作品内に登場する作家は一度全身全霊をかけて一本の作品を仕上げる事で小説を一生の仕事にする事を決意します。
 一生の仕事にすれば、もう怖いものなどない、と言う言葉は、確か以前作者がインタビューで言っていた事と同じ。
 自らの趣味を作家としての行き方を通じて描かれた作品、と感じました。