ライダ・モアハウス『アークエンジェル・プロトコル』

アークエンジェル・プロトコル (ハヤカワ文庫SF)

アークエンジェル・プロトコル (ハヤカワ文庫SF)

 読書マラソン3・五冊目。
以下感想。
 世界大戦で荒廃した世界は、キリスト教などの宗教が政治に強い力を持つ神権国家へと姿を変える。しかし人々は体内にインプラントしたリンクによって、ネットに常時接続する環境を得ていた。
 宗教とSF、そしてそこに降臨するリンク天使の偽者の正体は? ミステリーの要素もある贅沢な一冊。
 しかし個人的に面白くなるのが色々な伏線が収斂し始める三分の二で、それまではやたら分厚いだけの長ったるい小説、と言う印象を拭えません。
 昔の映画でもあったように、天使が人間の肉体を伴って降臨する際の状況は永遠のテーマですが、それをリンク=世界。神=人間。天使=AIの関係性で表現したのは面白いな、と思いました。