小林雄次『牙狼暗黒魔戒騎士篇』

牙狼<GARO> 暗黒魔戒騎士篇 (ソノラマノベルス)

牙狼 暗黒魔戒騎士篇 (ソノラマノベルス)

 読書マラソン3・三冊目。
 あのハイパーミッドナイトアクション『牙狼』が待望のノベライズ。
 ただ単に本編を文章化したものではなく、暗黒魔戒騎士であるバラゴの視点から描かれたものになっています。
 本編では分からなかった、あのキャラクター達の過去や思い、そしてストーリーの裏側が分かります。
 以下若干ネタバレ語り。
 しかし読んでいてつくづく思うのは、『牙狼』は強い男を描く過程で、母性をすっ飛ばしている、と言う事です。
 大抵、登場する女性は死ぬ運命にあるか、すでに死んでいる人ばかり。強い力で他人を守る戦士=父性が強調され、しかしそれが作品の魅力になっているのは認めるところですが。
 

 父親から母親を守ろうとして、結局は闇に堕ちたバラゴがあまりにも、哀れに感じられます。