第17話「誓いのフォーメーション」

 やっぱり熱いぜ『メビウス』! 観ていて胸が燃えてくるような気持ちになれる、それが特撮作品なんだと思います。
 今回はヒカリ退場のエピソード。しかしその肝ヒは、カリ=セリザワからのリュウの一人立ち、と言う重要なものだったと思います。
「地球は防衛隊が守らなければならない!」といつも叫んでいるリュウですが、その心には「どうしてセリザワは戻ってこないのか」「ウルトラマンがいれば防衛隊なんていらないんじゃないのか」という不安がある。
 実はGUYSメンバーで一番繊細な男、それがリュウ
 そんな不安をセリザワに縋る事で誤魔化いていたから、セリザワとの地獄の訓練で身につけたフォーメーション・ヤマトを即座に実行しようとしたミライに対して、「限界まで戦う」と言ったその口で「そう簡単にやれるか」とすぐに限界まで戦うのを押し止めようとする発言をしてしまう。
 ヒカリを拒絶したその後でちょっと不安だったの思います(笑)。
 自分の中の重要な部分に触れられたら大声で反応してしまうリュウの態度は、まさに宇宙的視点から見れば未熟な人類そのものなのかも知れません。サコミズの呼び方が「さん」から「隊長」に変わったのは、自立への第一歩だったのでしょう。
 やっぱりリュウは、この作品におけるもう一人の主役だとようやく気がつきました。
 以下箇条書き。

  • 怪獣の出現理由

 今まで餌として怪獣を呼び寄せていたボガールが死んだにも関わらず、怪獣が出現し続ける世界。しかも今回登場したサラマンドラは、地球の怪獣ではなく、

かつて地球侵略を目論むゴルゴン星人に操られていた宇宙怪獣で、過去に運び込まれ、リザーブされていたと思われる個体が覚醒し出現した。

との事(公式サイトより)。
 その理由は明かされませんでしたが、ヒカリの「来るべき戦い」と言う発言から、もっと大きな敵が待ち構えているのかも知れません。

  • サコミズ隊長

 今まで散々ゾフィー候補だなんだと言ってましたが、今週の放送で少なくとも隊長はミライ=メビウスだと言う事を知っていた模様。「危ない、ミライ!」は致命的だよ(笑)?
 セリザワとの目配せもあり、ゾフィー候補最有力はやはりこの人か。

  • 光の国へ

「青い体のウルトラマンは宇宙警備隊員じゃない」という設定通り、実は戦闘能力自体は低めだったヒカリ。これまでの戦闘も、本人の実力ではなく「固い意志」と「技の威力の高さ」で何とか乗り切ってきた印象でした。先週の放送でその体も限界にきている描写通り、光の国に帰る事になりました。
 ここで重要なのは、セリザワが一緒にいる、と言う事ですよ! 
 しかも「ウルトラマンの言葉は地球に届いている」と言う事を伝えるメッセンジャーとして! ついに来たよ、地球人類とウルトラ一族との交流がー!
 セリザワが一緒に帰るのは、ヒカリではセリザワに命を与えられないから。すなわち、もっと能力の高い、例えばウルトラの母や、ナイトブレスを与えたと言うウルトラマンキングであるかも知れません。
 これで最終回にはウルトラ一族全員登場のフラグが立ちましたよー!


 次回はメビウスパワーアップ! かつてジャックがウルトラブレスレットを手に入れた18話+ベムスターと言う組み合わせに、スタッフの並ならぬ狙いっぷりを感じます。