窓際の死神(アンクー)

窓際の死神(アンクー)

窓際の死神(アンクー)

おとぎばなしをモチーフに描く寓話的ミステリー」……とオビには書いてますが、実はあんまりおとぎばなしは関係ないような気も……。いえ、とっても重要な素材の一つなんですけどね。むしろ、ちょっとSF的な要素も加わっていると思います。
何より一番この作品で感じた事は、状況への対応……というか、感じ方でしょうか。
もし、自分の愛する人が三日後に死ぬとしたら、例え自分の気持ちなんて知らないとしても自分の寿命を差し出しても助けたいと思うか。自分の夢を実現するために、必ず不幸に、ろくな結末が待っていないと分かっていても、実現するために全てを削る事が出来るのか……。
読めば読むほど胸が痛くなってくる、そんな作品でした。