『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック ON 銀幕』

 以下感想。

時系列

 今回の劇場版は、『シンケンジャー』終了後、『ゴセイジャー』においては、幽魔獣壊滅〜マトリンティス登場の間の話。
 そう考えると、ブレドランの人生(?)が、短い間に大変な事に……(笑)。

二人のレッド

 今回の劇場版も、前回に続いて印象的だったのが二人のレッドの違い。
ちょっとそこのコンビニに」とか言ったら、ついでにアレ買ってきてコレ買ってきて、俺はリストに書いておいた、等とパシリに使われるアラタ。
 対して、圧倒的な実力と存在感を兼ね備え、その精神的支柱となる丈瑠。
 ともすれば、圧倒的人気でゴセイジャーを喰いかねないシンケンジャーは丈瑠を敵役に据え、アラタの「絶対に諦めない!」と言う精神的な強さをシンケンジャー家臣団と観客に魅せる構成は良かったポイントだった。

アラタ対ナナシ連中

 ちょっと珍しいアラタのアクション。素手で殴るのでは無く、ナナシの刀を奪って斬りつけるのが珍しい。

いつも通りの黒子達

 丈瑠を天知家に迎えるアラタ。しかしそれを素早く察知し、さっさか殿スペースを設置する黒子の皆さんがいつも通りすぎて吹いたw
 丈瑠は比較的一般人の感覚(現在に「殿」「家臣」なんて時代遅れ)と言うを持っているので、慌てる姿がもうたまらんwww
 そんなこんなでやはり彦馬も合流するのだが、データスを見た後、見なかった事にする二人の視線移動にも盛大に笑った。あれか。「ダイゴヨウと似たようなもんか」と脳内補完したのか。

流ノ介インターセプト

 流ノ介までいつも通りすぎて吹いたwwww
 と言うか、シンケン組は、初登場のフォーマットを踏襲しているので懐かしいやら何やら。と言うか、流ノ介の中の人が変わらなさすぎて逆に嬉しい。

侍を理解する為に

 そのチョンマゲは逆に喧嘩売ってるー(笑)!
 気合の入った血祭ドウコクコスを決めるブレドランとは、えらい違いである。

血祭のブレドラン

 三途の川の外道衆を蘇らせた、血祭ドウコクの遺志を継ぐもの……それは新たなドウコク、では無く、ブレドランが変化した、血祭のブレドランだった!
 登場当初からシルエット、口元を隠す等、常にブレドランである事を隠し続けた演出が秀逸。特にシルエットはドウコクそっくりなので、分かってはいても「まさか!?」と思ってドキドキだった。
 それにしても、刀さばきから口調まで、無駄に力の入った変装ぶりである。さすがブレドラン。趣味のコスプレは伊達じゃないッ。

アヤカシ・マダコダマ

 劇場版登場のアヤカシがマダコダマ。
 ブレドランの手によって強化され、天装術/モヂカラへの対策が施されたアヤカシであるらしい。
 そのせいか、シタリを切ってブレドランにつく等、コイツもやっぱり外道衆なんだなあ、と思わせる外道ぶりである。

千明合流。そして……

 マダコダマとブレドランの戦いの最中、合流する千明。
 しかしスーパーシンケンレッドに変身した丈瑠は、ビービ虫に包まれ、そのまま攫われてしまう!
 あの近年のスーパー戦隊シリーズにおける無敵キャラの一人、丈瑠をこうも見事に攫ってのけるとは、流石ブレドラン! 一度刺されて見せる所なんかが実に巧妙! さすがやられ慣れてるだけあるゥ(ヲイコラ)!

二戦隊、分裂

 丈瑠が攫われ、精神的支柱を失い、混乱する流ノ介と千明。攫ったのがブレドランであるのなら、三途の川に連れて行かれた可能性は低い。しかし、どこに行ったのかはゴセイジャーにも分からない。
 それでも、「諦めなければ何とかなる!」と主張するアラタに対し、千明は「他人事だと思って適当言うな」と反発する。
 確かにこういう場面で言われると、カチンと来る一言ではある。侍と護星天使、その精神性の違いと言うか、アラタの「いい人精神」が悪く出た場面。

ヒロインとの合流

 シンケンジャーとは分裂してしまったものの、とりあえず出来る事から! と言うわけで、残る侍と合流する事を決めるアラタ。
 茉子姐さんにはハイドとエリが、黒子のコスで一話通りに(笑)。
 ことはには、流ノ介の姿を借りたハイドとモネが。しかしことはの天然ぶりに、ハイドとモネも混乱気味。ことはさーん! 護星天使はおむかえ的な天使じゃありませーん(笑)!

外道シンケンレッド

 シンケンジャー初期家臣衆四人が集合し、ゴセイジャー組もシンケンジャーと共闘するのは無理だろう……等と思っていた矢先、最強の敵が出現する。
 炎の中から現れたのは、凄くノリノリで悪い笑顔をしている丈瑠! 「丈瑠が静かな声で一筆奏上すると怖い」の法則を発揮させ、変身したのは外道シンケンレッドだった!
 ブレドランは「シンケンレッドが外道に堕ちた姿」と言っているが、実際には、ゴセイナイトにしたような洗脳の方が近いだろう。陣羽織と手袋が黒くなっている事から、ビービ虫がモヂカラを汚染して、その影響が丈瑠にも現れているのかも知れない。
 それはともかく、恐ろしく強い外道シンケンレッド! ゴセイジャーを圧倒し、ゴセイジャー最強キャラ、ゴセイナイトの攻撃にもビクともしない! まさに反則的強さを魅せつける。
 シンケン家臣団は精神的支柱が敵となった衝撃で戦う事も出来ず……。

アラタ、その生き方

 外道シンケンレッドの炎を、体を張って受け止めるゴセイレッド=アラタ!
「絶対に諦めない!」と言う綺麗事を、どんな状況にあっても、体を張って実践する。それがアラタの凄い所だと再確認させられるシーンだった。

源太&ダイゴヨウ合流

 戦いの最中合流した源太とダイゴヨウ。
 それにしても、遅れた理由が「ダイゴヨウが空港の手荷物審査で引っかかった」には吹いたwww
 お前、入国審査もそんなんだったんじゃないだろうな(笑)。

特訓開始!

 丈瑠が敵になった事に落ち込むシンケン家臣団。しかし、エリのお手製おにぎりと、「丈瑠が自分達の立場だったら〜」と思い、ゴセイ組との協力へと動く。
 一方、傷ついたアラタを残しながらも、ゴセイナイトの助言からモヂカラと天装術の融合の特訓を始めるそれぞれ。
 モヂカラ+天装術のきっかけが、それぞれの戦隊で「特殊なキャラ」である源太とゴセイナイトから始まって、千明とアグリ。ことはとモネ。流ノ介とハイド。茉子とエリ。と、丁度それぞれ、同じ属性で上手く揃っているのがおいしい。
 その頃、源太はアラタの為に寿司を用意していたのだった。って、源太www
 目覚めたアラタの味の感想は「普通」って、やっぱりオイシイなやっぱり(笑)。

姫、登場

 モヂカラと天装術の融合を完成させたそれぞれ。そして目覚めたアラタの元にやって来たのは、先代様こと姫・志葉薫その人! シンケンジャーオールキャストの登場に、スタッフの気合の入りようを実感する。
 あまりにも若い薫が丈瑠の義母である事に驚くアラタ……。こう考えると、シンケン組は事情が複雑だなあ(苦笑)。

ブレドランの策略

 戦隊組の特訓の横で、着々と進むブレドランの策略。
 その策略とは、マダコダマの能力で水蒸気のレンズを作り、シンケンレッドの炎の力を使って護星界への扉を開く。そこに三途の川の水を注ぎ込み、護星界を滅亡させる事であった。
 ブレドランの裏切りに怒るシタリだが、マダコダマがブレドランの側についてしまった為、あっという間に不利な状況に。ただでさえ、命が一つだもんで、シタリは退却せざるを得ない。
 今更護星界滅亡? となると疑問だが、ブレドランは護星界がゴセイアルティメットを送り込めるほどの力を残していた事に危惧を抱いたのだろう。その為、護星界の存在が来る地球救星計画の邪魔になると思い、本格的にこれを破壊しておく事を選択した……と妄想。
 それでも外道衆を利用したのは、膜インや筋グゴンにマジ敗北した後、三途の川に流れ着いちゃったからだろうけれども(笑)。

再戦、外道シンケンレッド

 ブレドランの策略を止めるべく、決戦の地へ向かうスーパー戦隊。しかしその前に、再び外道シンケンレッドが現れる!
 最初は戦えなかったシンケン組だったが、「殿をお止めする!」と覚悟を決める。
 だが、そんな覚悟を吹っ飛ばすのが外道シンケンレッドの強さ!
 圧倒的な強さで、数のハンデなどなんのその! モウギュウバズーカがガトリングガンもびっくりの連射で九人を狙い撃ちする所なんか、もう恐怖しかない。
 何このチートキャラ! 強すぎるよ外道シンケンレッド!
 ハイドが「相打ち覚悟でやるしかない。生き残った者が進むんだ」と言うのも仕方がない所。それを止めるのがまさかの流ノ介! と言うのも、ストーリー的にはオイシイぜ(笑)! 最初に侍コスで馬鹿にされたのは、流ノ介だしねえw

ゴセイレッドVS外道シンケンレッド

 二人のレッド、ついに一騎討ちッ!
 シンケンレッドの地に足付いた、チャンバラアクションと、ゴセイレッドの空中飛行アクションの炸裂! 何だかんだで、ゴセイレッドは敵とのタイマンで一番のパフォーマンスを発揮するキャラだと思うんだ……。
 しかし、互角の戦いが出来ていたのも最初だけ。あっという間に外道シンケンレッドに圧され始めるゴセイレッド。
 そこで使われる切り札が、姫が使う「志葉家の火のモヂカラ」を込めたゴセイカード! このモヂカラを、アラタの風の天装術で増幅し、外道シンケンレッドを倒すのだ! と言う作戦の元用意された切り札であった。
 そうだった。外道シンケンレッド並みにチートなお人が、姫でした(笑)。
 使用された火炎トルネードカードで外道シンケンレッドをふっ飛ばし、変身を解除させ、丈瑠を正気に戻す事に成功するアラタ! やはり、本人よりスーツを汚染して洗脳していたのかな……?

二大戦隊名乗り上げ!

 侍戦隊シンケンジャーと、天装戦隊ゴセイジャー、二大戦隊名乗り上げ! やはり日本ヒーローの名乗り上げは燃える……ッッッ!!!
 しかもゴセイジャーに至っては、ゴセイナイトに加え、最後に「降臨!」とまで言っちゃったよ! 豪華仕様だよ!
 しかし「降臨!」とか言うと、やはり豪華で天使になるから不思議だ。

アクション、アクション、アクション!

 そこからナナシ連中、ノサカマタ+ビービに対し、それぞれ合同で戦闘開始!
 それぞれ同属性持ちコンビと、追加戦士コンビで繰り出すアクション! 映画になってから尺が長くなったので、アクションも気合が入ってる!
 モヂカラと天装術の融合も、マダコダマ相手に披露して、しっかり訓練の効果を見せる。
 そしてシンケンレッドとゴセイレッドが相手にするブレドランは、何と彗星のブレドランと、チュパカブラの武レドランを召喚! 爆発の向こうから、ハイパーシンケンレッドとスーパーゴセイレッドが登場! と、燃える所しか無いアクションの連続ッ!
 おまけにとどめは、天装術によってスーパー化した五人+ハイパーのシンケンジャーと、スーパーゴセイジャー+ゴセイナイトの合体技。ここまで来ると、もういぢめじゃねーか!!!

海賊戦隊、登場

 ブレドランの好きにはさせんと、強化ナナシ連中やノサカマタを引き連れて参戦しようとしたシタリ。しかしその前に現れたのは、謎の五人組……巷で噂の海賊戦隊ゴーカイジャーだった。
 それぞれの個性的なアクションに加え、レンジャーキーで歴代レッドに変身! 
 戦隊版『ディケイド』だが、各レッドの衣装が女性フォーマットになっている所に、単なる過去作品の利用に終わらせない東映の本気を感じる(笑)。
 それにしても、「海賊版」は狙いすぎだろ!
 そしてその活躍を見ていたのは、やはりダイゴヨウでしたw と言うか、あのほぼ一本道で迷うって、器用な提灯である。
 そんなわけでシタリもお亡くなりになり、これにして外道衆は完全消滅……。まさに嘘としか言いようがないなあ……。

スーパー戦隊の封印術

 ブレドラン最後のあがきで、護星界のゲートに立ち上る三途の川の水! 上空のゲートを、ゴセイジャー+ゴセイナイトの各属性防御系カードが。そして三途の川の水を、シンケンジャーは封印の文字で止める。
 特にシンケンジャーに至っては、劇中通して重要な存在だっただけに、六人で分割して文字を書く、と言う発想に驚き。
 外道衆との戦いを通じて成長した六人、しかもハイパー+スーパー状態で分割してようやく封印の文字として成立とか、改めて姫のチートぶりが際立つ。

巨大戦

 ブレドラン巨大化ー! え、これ二の目? いや、ビービですよね? と、どうでもいい所で悩んだ。仮に二の目だとしたら、ブレドランの設定の反映が忠実過ぎる。
 ダイカイシンケンオーとグランドゴセイグレートに加え、大ナナシ連中に対し、ダイゴヨウとデータスハイパーも登場と、巨大戦も豪華!
 しかしブレドランも強かった! 必殺技でダイカイシンケンオーを戦闘不能に。グランドゴセイグレートをゴセイグレートにグレードダウンさせ、そこからさらに追い打ちと、徹底的に攻撃を加える。
 だが、最後まで諦めない心にゴセイカードが応え、新たな奇跡が顕現する。
 ゴセイナイトを強制合体! さらにシンケンジャーを強制収容させて(コラ)合体した、グランドハイパーゴセイグレート、降臨!
 操縦席には、ゴセイジャーシンケンジャー、ゴセイナイトにダイゴヨウも全員集合!……あれ? データスは(コラ!)?
 必殺技は、ヘッダーストライクにモヂカラを加えた、モヂカラヘッダーストライク! 飛んでくる生首の群れは、同族とは言え、ブレドランにも恐怖の対象だっただろうなあ(そんな言い方をするな)。

フィナーレ

 ブレドランを倒し、それぞれの仲間達と共に、これからも戦い続ける事を誓う両戦隊。
 そこで綺麗に終わらず、最後に変なオチをつける所は、ゴセイジャーと言えばゴセイジャーらしいか(笑)。

ED

 最後は賑やかに、全員参加でテンポ良く終了。あれ? 何だか丈瑠が妙にいい笑顔を?

総括

 非常に面白い一本だった。
 大人気の『シンケンジャー』が『ゴセイジャー』を喰いすぎる事無く、両戦隊のいい所をしっかりと出して展開していったストーリーに、キャラもブレる事は無かったし。
 ゴーカイジャーの顔見せもいい形で出来ていて、終了後、素直に面白かったと言える作品だった。
 また、ブレドラン=ブラジラ一代記の一本としても面白い作品で、ひたすら負けては蘇るブラジラの、再度のガチ負けであった。この後、全身を切り刻まれてサイボーグになるなんて、本人ですら思っていなかったかもw
 劇場版はまた近い内に展開があるようなので、そちらも今からワクテカ期待して待っていよう。