『機動戦士ガンダム00P Vol.4』

機動戦士ガンダム00』公式外伝『00P』第四巻にして完結巻。
 本編ファーストシーズン開始以前を描いた『00P』。そのセカンドシーズンは、ガンダムマイスター選別を描いたエピソード。
 ニール・ディランディ。アレルヤ/ハレルヤとマイスター候補を次々と選別していく過程の中で、何故か中々決まらないエクシアのマイスター。そこから、計画に介入し歪める組織の裏切り者の姿が明らかに……。と言うストーリー。
 と言うか、エクシアのマイスターだけ中々決まらないって、「アイツ」が露骨すぎてちょっと吹いたw
 以下気になった所を箇条書きで。

フォンの探す女

 書き下ろしで明かされた、フォンの目的の一つ。それは、自分の父親が命をかけて助けた女性=マレーネを探し出す事だった。
 結局マレーネはすでに死亡していたわけだが、彼女に深く関わるシャルと同僚になるわけで。フォンもフォンで、女性関係の因縁が深い。

エクシアのマイスター

 リボンズが介入し、なかなか決まらなかったエクシアのマイスター。結局、スカウト担当のグラーベを通す事無く、リボンズヴェーダに直接刹那を推薦してしまったらしい。
 しかも、他の候補に関しては、イノベイドを操って殺害するなど念の入り用。だが結局、その刹那に殺されてしまったのだからリボンズとしては立つ瀬が無さすぎる。
 ちなみにエクシアのマイスター候補は女性で、ボインボインでした(笑)。

エージェント887

 かつてのハヤナは、ハナヨを「おねぇさま」と呼んで慕う可愛い娘でした。
 しかし自分がハナヨの肉体でしか無いと言う恐れ。そして実際にそうやって体を使われてしまった事で精神崩壊。現在のエキセントリックな性格にシフトしてしまうのだった。
 変われば変わると言うが、ハヤナ、変わり過ぎだろ(笑)。やっぱり、ヒクサーの趣味ですかw

ビサイド・ペイン

 本作に登場する裏切り者の先兵、それがビサイド・ペイン。「すぐ側の痛み」を意味するイノベイドであり、塩基配列リボンズと同じ。
 何これ。この塩基配列は裏切り者専用なのか(笑)。まあ、リボンズが自分の塩基配列パターンを上手に使ってる、と言う事なのだろうが。
 リボーンズガンダムのプロトタイプとも言える1ガンダムとGNキャノンを引き連れてやって来たビサイド・ペインだが、性格の傲慢さはリボンズ譲りのようで、安い挑発に乗りあえなく敗退してしまう。
 リボンズ……これを反省していれば、もう少し違う結果になっていたのではないだろうか。セカンドシーズン。

外伝に続く外伝の終わり

『00P』のストーリーは、さらなる外伝へと続く序章へとなる。
 ヒクサーはヴェーダ専属のエージェントに。肉体をハナヨから解放されたハヤナは、その後ヒクサーとチームに。
 ハナヨはビサイド・ペインとの戦い(内戦)の責任を取る形で能力を封印されてフェレシュテに出向。
 ビサイド・ペイン本人は死亡。しかし、彼が人格を転送したイノベイドがいて(ほとんど転送できなかったようだが)、そのイノベイドは記憶を消された後、社会監視用イノベイドに。そして彼は、レイヴ・レチタティーヴォとして新たな外伝『00I』の主人公となる。
 劇場版に向け、継続される外伝シリーズ。過去の物語はこれにて終わりを告げ、より本編と連携を密にしたストーリーが雑誌には掲載されている。
 まだまだ『00』は終らないようで楽しみだ。