2nd season #16「悲劇への序章」
ストーリー
ハーキュリー達クーデター部隊はアロウズの非道を市民に知らしめるべく軌道エレベーターを占拠した。事態を受け、軌道エレベーターにカタロン、アロウズ、ソレスタルビーイング。そして刹那とミスター・ブシドーが集結する。
第一感想
報道されない事は無いのと同じ。
今週は、そんな格言を連想したエピソードだった。
以下感想。
ハーキュリーの意図
アロウズの非道を世界に知らしめるのがハーキュリーの目的。しかし、情報統制は徹底していて、その声はメディアではもう届かない。それどころか、編集され、ありもしない殺人の罪まで押し付けられる。
だがハーキュリーの真の意図は、人質にした市民の方だった。
アロウズがオートマトンをキルモードで投入するのを見越し、その非道を市民にも身を持って味わわせる。その後人質を解放し、市民の側から反連邦の波を作る。それがハーキュリーの真の目的だった。
戦争アレルギー、軍隊アレルギーが強い日本において、ある意味ここまでやる軍人は引かれるかも知れないが、ある意味、軍人の鑑のような男だ。
セルゲイの苦悩
セルゲイ、ハーキュリー、そして妻のホリーは士官学校時代からの友人であった。三人共に理想を語りあった仲だったが、今ではセルゲイは連邦正規軍。ホリーは死去。そしてハーキュリーはクーデターの首謀者と波乱万丈に。
密使として送り込まれたセルゲイの機体は、何とセルゲイ専用ティエレンタオツー! 正確には、タオツーじゃなくて全領域対応型ティエレンらしいが(タオツーは中国語で桃子「taozi」=ピンクの意)。
そこで連邦からの返答を持ってくるが、セルゲイは友として軌道エレベーターに残る事を決意! セルゲイ、あんた漢や……!
バカ息子のその頃
軌道エレベーターで漢達が燃えている頃、小熊ことアンドレイは片思いの女の子と皮肉屋気取りでしたとさ。
いやアンドレイにはアンドレイの物言いがあるんだろうが。
アンドレイ、ちっちゃいよ! ちっちゃいよ小熊! 軍人になったのだって思いっきり当てつけじゃん! 思わず顔を覆ってしまいたくなるアンドレイなのだった。
と言うかこいつもこいつで、愛が憎しみに変わっている奴なんだなぁ。
トランザムVSトランザム
まさかのトランザムシステムを持つ機体同士の激突! でも、この戦いはすでに四年前にやっているのです。しかもオリジナル同士で。詳しくは今月の『ガンダムエース』参照!
それはさておき。
ミスター・ブシドーのマスラオに搭載された疑似トランザムはそれでもと言うかやはりと言おうか、やはり不完全らしくブシドー吐血。本家トランザムでは完璧な対G対策がどうも不完全であるらしく「まるでフラッグに乗っているみたい」な乗り心地が味わえるようだ。
しかし疑似とは言えトランザムを手に入れた事が嬉しいのか、ミスター・ブシドー喋る事喋る事。いつもの三割増ぐらいで珍言のオンパレードだ。
「隙ありー!」
「斬り捨てご免!」
「あえて言おう。覚えていろ少年!」
よかった双方向通信で。盛大な独り言に終わらなくてほんとよかった……。
まるでお母さんみたいな安堵を覚える自分であった(笑)。どんなに気持ち悪くても、あれだ。ミスター・ブシドーは可愛い子なんです(ぇー)。
自分を変革する決意
これまではただ自分の事を破壊者だと認識していた刹那。世界の歪みを見つけて駆逐して、歪みが無くなった世界を誰かに託す。そんな生き方をしていた刹那だが、マリナとの出会いでそれが変わった。
今では、ただ戦うだけでは満足できない刹那。それだけではいけないと思う刹那がいる。皮肉にも、それまでの刹那と同じ「戦うだけのミスター・ブシドー」と戦ったからこそ、その気持ちを言葉にできたようでもある。
ガンダムエクシアとの戦い。四年巻の放浪。ダブルオーライザーでの他者との交信。Oガンダムのマイスター、リボンズとの出会い……と、様々な出会いを通じ、刹那はついに自己を変革する時がやってきた。
しかし、そこで問題となるのがどう変わるかだが……。
情報と太陽炉
ちょっと思ったのだが、情報統制が徹底している昨今、有効なのは脳量子波による通信では無いだろうか。
そこで、ダブルオーライザーは元より、四機の太陽炉すべてを脳量子波通信網(妄想)の構築に当てればいいのではないだろうか。そうすれば、刹那はガンダムを降りられるし、世界を変えた事にもなる。
それを中東のマリナの下に持っていけば、また中東再興の目もあるし……。と、ひたすら妄想してみた。ソレスタルビーイングの超技術を有効利用できるのは、宇宙開発情報ネットワークぐらいしか考えつかないしなぁ……。
まさかのメメントモリ再び
反連邦の動きに対し、徹底的な態度を取るアロウズの動きがどうもおかしい……と思ったら、まさかのメメントモリ二号機登場!
市民六万人を巻き添えに、ソレスタルビーイングとカタロン、クーデター部隊を一掃する腹積もりだ。
まさか中東以外でも、ここまでやるとは……! フィクションとは言え、あいた口がふさがらない。しかし現実には市民を巻き添えにしての攻撃なんかありふれていて、ここでも、情報の価値を改めて知らされたのだった。