中島かずき『天元突破グレンラガン(3)』
- 作者: 中島かずき,品川宏樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
アニメでも無かったあのシーン、キャラクターの心情、裏設定など、色々目白押しの一冊。
以下感想。
ストーリー
第三部スタートから、シモンとヴィラルの宿命合体名乗り上げまで。しかし、ヨーコがヨマコ先生として離島で教師生活を送っていたエピソード(「あなたは生き残るべき人だ」)はカットされている。
その代わりに、ヨーコが盗賊ガンメンの代わりにグラパールを撃破したシーンが追加。違う意味で螺旋力溢れているヒロインだなぁ(笑)。
シモンとロシウ
第三部は、この二人の関係性も見ものの一つ。
シモンが総司令として行った仕事がカミナの銅像掘りとキングキタンのようなガンメンの処理をレイテに回した事、ほとんどそれだけだった事に対し、ロシウは教育施設、細胞を定期的に活性化しなければならない獣人のための施設、さらに生体コンピューターとしてのロージェノムの復活など、数え上げればキリは無い程、人類復興のために尽力してきた。
そんなロシウがシモンを立てていたのは、グアーム戦での、シモン復活口上をニアに次いで、誰より間近で聞いていたから。
「俺は俺だ! 穴掘りシモンだ!」
と言う「自分は自分だ」と言う不変の考えを感じているからで、何もかも変わっていった年月の中で変わらないシモンのあり方に、少なくない特別感を感じていたようだ。
その分、他の大グレン団メンバーへの風当たりが逆に強くなっているようだ。
シモン、ロージェノム化
アニメ本編では見られなかったが、ノベライズでは、シモンがロージェノムのごとく螺旋力を発揮するシーンが登場。思えばシモンも、暴徒化した市民をロージェノムのように恐怖で支配すると言う選択肢も無くは無かったはずなので、ある意味第三部はそう言った過去の政策との分水嶺的な側面もあったと再確認。
新旧交代
ダリー、ギミーを代表とした戦後世代が活躍を始めた第三部。新しく追加されたギミーとキタンのグラパールシミュレーションでのキタンの惨敗が、アニメ本編には無かった新旧交代の波を強烈に感じさせる。
しかしストーリー後半、キタンがキングキタンでギミーを見返すシーンもあり、まだまだ戦前派の実力は捨てたものじゃないと言うところも見せ付けているのが憎い。
次巻
シモンとヴィラルによる人類反撃ののろしである螺旋波動で〆た第三巻。次巻は、もしや第四部までノベライズが行っちゃたりするのだろうか……?
超銀河グレンラガンやら天元突破グレンラガンやら、登場する銀河級ガンメンや、ニアの運命など、ノベライズならではの視点を期待。