#06「バイバイ・シェリル」

 芸能プロダクションにスカウトされたシェリル。しかし本人はアルトとシェリルの事が気にかかったままだった。
 シェリルがライブのリハーサルを行っていた頃、ギャラクシー船団がバジュラに攻撃された事が知らされる。バジュラの存在が一般に公開されたと同時に非常事態宣言が発令され、アルト達は否応無く戦いに参加する事になってしまう。

第一感想

 喜ばれるッ。セクハラッ(挨拶)!
 もうこのインパクトは大きい。若造アルトはラッキースケベが限界だが、艦長ぐらいのナイスミドルになればセクハラ確信犯でもオッケーなのか。これぞまさに器量の違い(ぇー)。いや、アルトが「セクハラ確信犯」って嫌だけど。するとその場合「アルト姫」じゃなくて「セクハラ姫」か。あれ? 性別違くない(古ッ)?
 むしろそれはミハエルの役割だろうか。今週も、さりげなくランカの肩に手を置いてたし。このままランカに惹かれてアルトとどろどろな修羅場を繰り広げ、その中で二人互いの絆を再確認し、そのままアルトとミハエルの二人は結ばれ、全銀河にラジオを配信……。あれ? これ何の話だっけ?
 話を戻して以下、真面目に感想。

二人のバイバイ

 今週のサブタイトルは「バイバイ・シェリル」だったわけだが、何が「バイバイ」だったんだろうと思い返すと、それはやはり、これまでアルトとランカがシェリルに持っていた「偶像」としてのシェリルからの「バイバイ」だったのではないだろうか、と思う。

アルト

 自らもS.M.Sの一員として自分の意思では戦いを降りられない立場になってしまったアルト。しかしイヤリングを届けに会場にやって来た事で、シェリルの過去と弱みを知る事になった。「銀河の妖精」としてのシェリルではなく、故郷の案じる姿を知る。
 現在の栄光に見合う努力を積んできた上で、死んだ母の形見のイヤリングを手放せない。そんな一人の少女としての姿を知り、アルトはアイドルとしてのシェリルとはさよならする事になる。

ランカ

 これまでは、単にファンとしてシェリルに憧れるだけの立場だったランカ。しかしスカウトされ、曲がりなりにもシェリルと同じ立場に立った事。そしてアルトとの関係を巡って、これまでと同じシェリルとは見られない、と言う印象を受けた。アルトは自然にアイドルとしてのシェリルと別れたが、ランカの場合は別れざるを得ないように思う。
 アイドルとしてはライバルだし、アルトに関しては恋敵である。
「ライバルと恋敵で何が違うんだろう?」
と思ったけど、多分色々、諸々違うはず。重みとか。
 その証左がさよならライブに遅刻するランカの姿だ。第1話の時は満員電車に乗ってでもライブ行ってたランカが遅刻。そうとうシェリルの前に立ち辛い状態になっているようだ。
 ランカとシェリルに関しては、次回のエピソードで語られるようだが……。そこがある意味で、アルト、ランカ、シェリルの三角関係が成立する場所になるのだろうか?

プロパガンタ

 ギャラクシー船団への派兵を世論に認めさせるため、レオンが使ったのはシェリルへの会見だった。性格悪そうなレオンだけに、非常に巧いと言わざるを得ない。
「バジュラは危険で理屈も判らない。下手に手を出したらこちらまで被害を受ける。だから攻撃は止めるべきだ」
 こういう意見に対して、強気なシェリルに発言させる事で、
「攻撃に賛成しない奴は臆病者」
と言う流れを作り出した。
 ほんとレオンは性格悪い、と言う事を再確認した部分だったが、これは「必要とあらば、象徴的な人物を使って世論を操作する能力がある」と言う事だ。 
 今後もギャラクシー船団がバジュラによってダメージを受けた最初の移民船と言う事実がある以上、これからもシェリルがレオンに使われる状況もあるだろう。それに反発して、シェリルは問題起こしそうだが……。後半、ランカがそうなった場合、彼女はそれができるかどうか疑問だ。

アルト、空へ

 二〇〇〇メートルしかない都市型宇宙船から、戦場と言う空へ飛び出すアルト。
「戦う」と言う形でしか飛び出せない世界だが、いざ飛び出した空はあまりにも多くの危険で満ちている。その空に持ち込んだ最初の一つがシェリルのイヤリングである事は、やはり後々大きな意味を持つのだろうが……。
 こんな事言ったらあれだけど、ランカって不幸型ヒロインだしなぁ(どんな理屈だ)。

ED

 さよならライブの『ダイアモンド クレバス』がアルト達を見送るような演出から、そのまま続いてEDへ。相変わらずの巧みな「歌」の使い方に鳥肌が立つぐらい痺れたシーンだった。

その他

 気になった事をつらつら。

愛を伝える歌

 かつての戦争で「戦いを終結に導いた」リン・ミンメイと同じフレーズでスカウトされたランカ。しかし肝心のバジュラは、ゼントラーディと違って歌を理解できる知能を持っていない(生体兵器なのだから当たり前だが)。
 この理解できる/できないの差が、デカルチャー・エディションの「さよなら」につながっていきそうだ。バジュラの目的がランカだと判れば、レオンなんかはランカをバジュラに放り出すだろうし。

オズマ

「来年はランカも成人だし、バジュラとの戦いもあるし、あまり甘やかすのもどうか」
 と理屈で、ランカのスカウトを認めたオズマ。「お願いします」の姿勢が、と獲物に飛びかかるライオン的ポジションってどうよ? 
 レオンの命令でやって来たキャシーとも鉢合わせし、オズマは公私共に女に振り回されてる。

ステージ衣装
  • ナナセ、それは何と言うか、違う種類のアイドル。
  • そしてミハエル、ランカの胸部パーツにはお前が期待するほどのアピール力は無いから。むしろこう、下の方を(死ネ)。

次回は

 ついにバジュラとの初の大規模戦闘が開始される。そして、ランカとシェリルも動きがあるようだ。