第3話「リダイブ」

 メタルへの違法なダイブを行った事により電理研に拘束される波留とミナモ。メタルの海に新たな海を見た波留はダイバーとしてのテストに挑む。しかし、ことごとく失敗してしまう。

第一感想

 第一章完結編、と言ってもいい今回。
 第1話〜第3話までかけて、波留の死と復活。ミナモとの出会いから新たなスタートと、綺麗に収斂していったのが印象深いエピソードだった。
 以下感想。

止まらない人の業

 波留が体験している五〇年と言う歳月の長さが、圧倒的な映像美を持って視聴者も圧倒する。
 そもメタルから始まって、アンドロイド、人工島、擬体、海底都市……と、まさに止まらない人の生命力。その業とも言えるものを感じさせる。
 そして、現在その業を最も生臭く感じさせるキャラクターは、久島と書記長だ。両者ともただならなぬ関係であり、波留を巡って色々と悶着がありそうな展開を予想させる。

足りなかったもの

 電理研のダイバーテストに失敗し続ける波留。その原因は、足りなかったものとは何だったのか? それはミナモからもたらされた「安心・安全」だった。
 ダイバーや登山家のように、人知を超えた自然相手に体一つで挑む人種に何が一番必要かと言われれば、それは「引き際を見定める能力」だろう。限界を突破して手に入れられるものなど、アニメや漫画じゃあるまいし現実にはあるはずも無い。ただ死んでしまうだけだ。
 メタルの海を、あくまで「本物の海」の代替物、リハビリととらえていた波留には、命の危険と言うリアリティが足りなかった。
 それを悟り、再びダイブした波留が老人から若者の姿に変化している。ビジュアル的にも判り易くて、燃えるシチュエーションだ。

新たな海へ

 メタルの海を、新しい海とした波留。久島から住居兼事務所を与えられ、自らの体を使ったダイバーとして復活する波留。そして、老いた彼の「閃き」として相棒となったミナモ。
 意識と肉体の二人がコンビとなり、新しい海への挑戦が始まる。そして、事務所を見つめる怪しい男……。次回から、新たなストーリーへ!