第21話「あなたは生き残るべき人だ」

 アンチスパイラルの人類殲滅プログラム発動の一年前。大グレン団を抜けたヨーコはヨマコと名前を変え、ある離島の教師として暮していた。地上で生まれた最初の子ども達を見守っていたヨーコだったが、そこに二体のガンメンが現れる。子ども達を守るため、ヨーコは再び銃を取る。




 こ、これ何て『二十四の瞳』(ヲイ)? ま、そんな感想はさておいて。
 新政府を作った大グレン団を抜けたヨーコが選んだ道が、教師となって地上で生まれた最初の世代の子ども達を見守る事だった。
 そんなヨーコに見守られる子どもの一人がナキム。父親が死に島に移り住んだものの、馴染めなかった彼は、父の形見の鞄を木の上に吊るされる。自分で取りに行ったものの、てっぺんで立ち往生。それを助けたのがヨーコ。そこで二人が見たのは、第1話でカミナ、シモン、ヨーコの三人で地上を脱出したときに見た、太陽と月が同時に出ている光景。そこでヨーコはナキムに、死んだ父を忘れなければいい事を教える。
 死んだナキムの父親→カミナ。ナキム→シモンで見ると、ヨーコがいかに成長――と言うか、考え方が成熟したかが分かる。第二部当初は自分の事で手一杯でシモンに構っていられなかった事を考えると一目瞭然。
 子ども達みんなを守るために、再び銃を取り、ガンメン二機を瞬殺するヨーコ。ロシウがアークグレンに自分を乗せようとしている=助ける人間を選んでいる事を知り、再び青空を取り戻すためカミナシティへと向かう。
 前回のニアに対する物言いも当然で、ヨーコは随分女を上げた事を示すエピソードだった。このヨーコの選択は、カミナの「ガキどもがお日様の下で安心して暮せる世界にしてやりたい」という言葉を受け継いでのものであるのは明白なので、ヨーコがうだうだやっていた事を「ふざけないで!」で片付けられるのも納得。カミナでも多分、そう言うんだろうなぁ、と容易に想像ができる。




 今回のエピソードで、ついにロシウの限界が訪れる。アンチスパイラルによって当初の半分強ほどしかアークグレンに収容できないまま、宇宙へ。しかしそこにもムガンの待ち伏せに。しかし自分達を含めたすべての人間の不安のせいで、アークグレンの性能がダウンしてしまう。
 どこまでも上昇し進化する力が螺旋力。しかしロシウが少数を犠牲にして大勢を生かすと言うやり方は、結局最後には不安と限界に行き着いてしまう。アンチスパイラルがこういう方向に持っていった、と言うのが正しいが、それでもそのやり方を採用したのはロシウ本人だったわけで。
「これが僕の限界なのか」と言ったロシウに圧し掛かる諦めは重たい。
 そんなロシウの前に現れたのは、ラガンにシモン。グレンにヴィラルを乗せたグレンラガンと大グレン団のガンメン達! 絶望と諦めの象徴である天を突くシモンのドリルがまぁ頼もしい事燃える事! まぁ、これまでの仕事しなかった事がチャラになるわけじゃないのだけれども(笑)。とかく最高にかっこいい登場シーン!

シモン「人と獣の二つの道が! 捻じって交わる螺旋道!」
ヴィラル「昨日の敵で宿命を砕く! 明日の道をこの手で掴む!」
二人「宿命合体、グレンラガン!」
二人「俺を誰だと思ってやがる!」

 ↑の口上で終わるのはもう反則。暗い雰囲気だった第三部も、一気に以前の空気を取り戻し始めた。次回登場するアークグレンラガンにも期待!