第17話「あなたは何もわかっていない」

 ロージェノムとの戦いから七年。人類は地下から地上へと生活の場を移し繁栄の日々を送っていた。シモン達大グレン団員は一部のメンバーを除き、そのまま新政府となっていたが、多くは平和ボケしてしまっていた。
 そんな中、百万人目の人間が生れたと同時に謎のメカが出現。新都カミナシティを攻撃し始める。 




 第三部がいよいよスタート。サブタイトルはロシウが担当。大グレン団唯一の常識人にして知識担当の一人だった彼は、新政府では実質的なリーダーに。そりゃあ、大グレン団メンバーは言い方は悪いけどチンピラ揃いだから、政府活動なんて期待するだけ無駄と言うもの。カミナが生きていれば、もっと酷い事になっていたような気もする……。
 そんな新政府で一人苦労をしょいこむロシウは、ロージェノムが遺した言葉の真意を探るため月に探査ガンメンを送り込む一方、人口調査のために地下で暮したいと望んでいる人間を強制的に地上へ出す等、ロージェノムと同じ事をやっていた。
 そんなロシウに対して、シモンの「百万人目が分かったらどうする。生まれ故郷のように地球から放り出すのか?」と言う言葉。
 あの時の人口調整の言葉が、こんなところで効いてくるとは……! ロシウは、ああいう責任ある立場の人間につきまとう決断の辛さを味わうキャラクターなのだろう。 
 大グレン団の面々よりも、むしろヴィラルの方が精神的には成長しているようにも見える。立場が逆になったと言う事は、今度はヴィラルが大グレン団的ポジションだし。




 新政府総司令となったシモン。しかしやっている事は書類にひたすらサインするだけ。グレンラガンで前線にも出る事ができない。そんな彼が七年越しにニアにプロポーズ!……したものの、見事撃沈(笑)。
 その理由は、「二人は同じ人間にはなれないんじゃないかなーって」。
 確かにニアは七年前にも「アニキはアニキ、シモンはシモン」と励ましていたし、シモンはシモンで「俺は俺だ! 穴掘りシモンだ!」と堂々と宣言しているわけです。それで同じものを見ようとか言われても、ニア的にはいまいちピンとこなかったのでしょう。
 しかしいつの間にかダヤッカと結婚していたキヨウに後押しされ、ニアもシモンのプロポーズを受ける。だがしかし、他ならぬ彼女の子どもが百万人目の子どもだったせいで、ニアに異常が。反螺旋族アンチスパイラルとして、人類を滅ぼすと宣言する。
 このアンチスパイラルがかつて螺旋の戦士としてロージェノムが戦っていた敵なのか? 




 平和ボケした新政府。空回りしつつあるロシウ。新型量産メカ・グラパールは早くも役に立って無い。アンチスパイラルの襲来など、第三部も凄い事になりそうです。