ウェン・スペンサー『ようこそ女たちの王国へ』

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

 読書マラソン3・七十三冊目。
 以下感想。
 萌えるハヤカワ文庫シリーズ(ねぇよ)ウェン・スペンサー版第二弾。
 極端に男性が少なく、その分女性が多く存在する世界。貴重な男性は家の外に出す事もせず、「財産」と見なされ家具のように売り買いの対象となる。
 もうすぐ婿入りをひかえていたウィスラー家の長男ジェリンは盗賊に襲われた一人の少女を助けた。その少女が王女の一人であり、何と一目惚れされた事から王族間の陰謀に巻き込まれていく、と言うストーリー。 
 公然と男性のハーレムが認められるこの世界をうらやましい、と思うか思わないか? ってな感じの事を解説にも書いていますが、当然うらやましいとなんか思えるはずも無い世界観。
 大雑把に言うと男性と女性の立場がそっくりそのまま入れ替わったような作品で、男は完全に物扱い。
 そんな世界で、王族に求婚されたジェリンが持ち前の才能と家族から学んだスキルで世の中を渡っていく姿に、勇気付けられるかされないかは……きっと読者次第。
 結局、ジェリンのハーレムで完結する物語ですが、その設定と扱いから感じると、あんまり羨ましくないのが本音です。