『ロミオ×ジュリエット』第23幕「芽吹き〜死の接吻〜」

 モンタギューは討たれた。しかしジュリエットは、エスカラスにその身を捧げるためネオ・ヴェローナ城地下へと進む。
 ティボルトからジュリエットの運命を聞かされたロミオは、彼女の運命を背負うため、後を追う。




 いよいよ物語はクライマックスに。
 エスカラスに身を捧げるジュリエットを止めるため、走るロミオ。ロミオがジュリエットの後を追い、剣を交わしてまで想いあう二人のこれまでの道程が結実したシーンに泣いた。
 そこに至るまでに、ティボルトがロミオに力を貸したのも面白い。
 キャピュレットとモンタギュー両家の血を持つ彼がジュリエットの現実を知り、それをロミオに伝え、彼の手助けをする。他人の事を考えるばかりで、身を引く事でしか愛を示せない二人の現実をずばっと指摘して「お前はどうしたい?」と問う彼の男っぷりが良い。
 意外とあっさり「兄上」とティボルトを呼んだロミオですが、それも父の人生と死を受け止めたロミオの成長、と言う事なのでしょう。




 エスカラスに身を捧げるキャピュレット家の家紋が剣で、それを対になるモンタギュー家の家紋が盾っておかしくない? と思っていたんですが、ジュリエットがロミオに剣を突きつけるところでようやくその疑問が氷解。
 つまりあれは、追ってくる人間がいれば実力を持って排除すると言う、外部ではなく内部への攻撃を暗示した紋章だったのでしょう。




 すでに半身をエスカラス(?)に侵されたオフィーリアによってロミオとジュリエットは引き離され、死の接吻によって彼女の命はついに尽きる。
 次回はついに最終幕。悲恋を下敷きにしつつも現在に新生した王道革命劇の行方はいかに!?




 公式HPでは特別企画として第1幕〜第23幕が一挙配信! 前回観る事ができなかった第4幕を観てみようかと思います。