『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第二十三話「神は天にいまし…」

「昔の星空が一夜だけ見える」と言う噂が流れ始めた。その噂の夜まで、胸中に複雑な思いを秘めつつ黒と未咲の二人は行動を共にする事に。
 そしてついに、終わりの始まりが始まった。




 ついに『ダーカー』もクライマックスに突入!
 そのスタートは、「昔の星空」でつながる人々の思い出。




 それはどんなに大した事の無い思い出でも、家族とつながる重要なものだった。
 しかし黒に取っては違う思い出になる。最強の契約者と呼ばれた白の対価は「睡眠」であるらしく、能力使用後は無防備になってしまう彼女。そんな彼女の首に手をかける黒の想いと涙は何だったのか。
 冷徹に人を殺す妹への憐憫だったのか、それとも妹を殺してしまうかもしれない自分への涙だったのか。
「妹が死んでほっとしたのかもしれない」と語る黒。
 本当は死んでいるのか生きているのかも分からない妹。しかし、彼女の存在が消えた事は、黒にとって大きな損失であったと同時に、心の重荷が消えた事と同義だったのかも知れない。
 だから、その反動として妹を血眼になって探す原動力になりえているのか。
 黒は迷っている。
 その迷いを晴らす鍵はアンバーが握っている。ゲートに突入する黒がアンバーから聞く真実とはいかに。




 未咲は、公安の人間として契約者=偽りの星を追っている間に、その星に愛着を持ち始めてさえいた。契約者であろうと無かろうと埃を持って生きたであろうノーベンバー11。その死を悼む同じ契約者。
 事件に関わっていきたいのに、警察組織の飲み込まれて思うように動けない。そんな時に李の時の黒とあって、食事→バッティングセンターとデートコースを巡りながら、心情を吐露していく。
 こうやって、話だけで次へ繋がるエネルギーを獲得するのって女性の特権のような気がするのは、男のたわ言でしょうか。




 何となくですが、男って相談する事で「答え」が出ないと、それをいつまでも引きずって駄目になっちゃうんだけどなぁ(お前だけだよ)。
 大食い同士の焼肉はそれはもう凄い事にwwwww 
 しかもあの店、普通に高そうだ……!
 身内からも警戒され、父親からは東京からの脱出命令。それはすなわち、南米天国門消失と同じ現象が起こると警察上層部が掴んでいる証左。
「直感を信じろ」と奇しくも二人の契約者からアドバイスされた未咲の選択は。




 組織に切り捨てられ、襲撃を受ける黒チーム。この時チームを襲った重力使いの契約者って、もしかして公安の河野……? 何か髪型が違うんでよく分からなかったんですが、あの服装は河野だと思うんだけど……。
 組織から狙われながらも、ゲートへと向かおうとする黒を最後まで支援しようとする黄達にちょっと泣けた。ほんとにこいつら、いいチーム!
 しかし、使いにウェイはちょっと……。色々な意味で不安だ(苦笑)。
  

 
  
 凱とキコの探偵所メンバーが再登場! 
 彼らが登場すると画面の賑やかしと、ハードボイルドさがグンとアップするような気がします。
 日常の人々と同じ立場でありながら、名前と活躍の場所があってメインキャラクターをつなぐキャラクターでもありますしね。
「周りが変わっても人々の営みは変わらない」。
 それをあの凱が言うんだから何ともまぁ(笑)。ハードボイルドって、実は日常生活駄目男の勲章みたいなもんなので、王道と言えば王道ですが。
 あと、ちょっと惚れそうになったのはここだけの秘密w




「昔の星空を取り戻すには、偽りの星がすべて流れなければならない」。
 正直、この発想は思いつきもしなかった。
 確かに理屈の上から言えばそうなんでしょうが、何人殺すつもりだ……! 
 アンバーはE.P.Rを結成して契約者を守ると言いつつも、契約者を全員殺して黒のために昔の星空を取り戻させたいんでしょうか。個人的には、違うとは思うのですが。
 その理由は、今回の「昔の星空が一夜だけ見れる」と言う噂。
 これは、ニックが黒に言った事と同じ事を東京レベルで実行しているのだと思われます。
 ゲートは個人の観測により物理法則すら変容し、事実ニックも黒も、「昔の星空」と思って望遠鏡を覗いたら昔の星空が見えた。
 これはアンバー達が噂を流して、本当の星空を東京都民の観測によって黒に見せるつもりなのでしょうが。




 能力を増幅する流星の欠片をさらに砕き、メンバー達に持たせるアンバー。能力を増した契約者と、パンドラの完全武装した部隊がついに激突。
 次回予告は銀ではなく星見様! 多くの契約者の死を予感させるサブタイトルで、次回へ!